九州の宿に泊まる

このブログは福岡・佐賀・熊本の地域に特化し、さらに食事・お風呂をメインに紹介していきます。そのため素泊まりの紹介はなく、部屋風呂・シャワーのみの宿も登場しません。  

全室かけ流し屋外風呂がある竹林の離れ宿 肥後街道 南阿蘇温泉 癒しの里

店名:肥後街道 南阿蘇温泉 癒しの里

住所:熊本県阿蘇郡阿蘇村立野461-94

番号: 0967-23-5335

駐車:有

【宿の紹介】

 2019年にリニューアルオープンした宿泊宿。その特徴はすべての建物が竹林に囲まれた離れの別荘地をイメージさせる幻想的な雰囲気の宿で、高地にあるため朝は霧が立ち込める竹林の中を歩く摩訶不思議な気分を味わえる宿となっています。

 広大な面積の中にある部屋数は和室6室、和洋室9室のわずか15室。各部屋の建物も各平屋に2~3室程度のため、食事処以外でなかなか人に出会いません。本当に別荘地に来たような感覚になります。

 部屋の種類は12畳和室タイプで露天風呂つきの和室一間の「伊織」。これが部屋の中では一番スタンダードで安い部屋になっています。二間となり11畳+10畳と倍の広さになり和室・和洋室両方がある「静和」。そして静和の中でも離れの部屋になり露天風呂だけでなく内風呂もつく「離れ特別室」の3種類となっています。どの部屋にも露天風呂付きとなっています。

 温泉については部屋風呂だけでなく10種類の貸切露天風呂と大浴場があり、こちらは日帰り利用客も午後8時まで使えるようになっています。温泉の効能は美人の湯と評される「メタケイ産」が美人の湯の基準となる100mg/1kgの2倍以上となる243mg含んでいることが売りとなっています。

【アクセス】

 

熊本ICより車で約40分、阿蘇くまもと空港より車で約40分
福岡より:
車以外/JR鹿児島本線から豊肥本線に乗換、立野駅よりタクシーで約5分
車/ ~九州自動車道ー熊本IC~国道57号線阿蘇方面へ約40分、JR立野駅より約5分

東京 :
車以外/羽田空港より飛行機で約1時間45分
車/ ~ ~阿蘇くまもと空港よりタクシーで約40分

 

 アクセスですが、正直なところ車旅行でないと利用は厳しいです。国道57号線から道脇を上った先にありますが、道脇も結構な坂道のため荷物を抱えて登るのはかなりの重労働。公式アクセスでも立野駅からタクシー利用を進めてありますが、立野駅が本数の多い駅でないため、利用もかなり不便です。

 また周辺にコンビニや飲食店が全くないため、宿の方からも持ち込みを勧められるほどです。もし部屋で飲食したい場合は予め買っていかないと詰みます。自販機くらいしかありません。

 

【設備・アメニティについて】

・ハンドタオル 、バスタオル

・ボディソープ 、シャンプー、リンス

・ドライヤー

・歯ブラシセット

・石鹸

・くし、ブラシ

・浴衣

・髭剃り・綿棒

・化粧水、乳液

・温水洗浄付トイレ

・露天風呂

・貸切風呂

・空気清浄機、加湿器

・冷蔵庫

 アメニティは部屋にすべて備え付けてあり、タオル類は乾かして使いまわすスタイルとなっています。じゃらん楽天トラベルなどのアメニティ一覧には載っていませんが、化粧水や乳液も準備してあります。しかも結構いいところのブランドです。ただし人数分あるわけではないため、一人以上スキンケアをする人がいる場合は自前のものを持っていくことをおすすめします。

 それと貸切風呂の方には最低限のシャンプー類しかないので部屋から持っていく必要があります。

 

【宿泊レビュー】

【部屋について】

 今回は一番リーズナブルな和室の伊織を利用。リーズナブルといっても一人辺り2万円以上するハイクラスですが。

 メインルームはテーブルなどをどかさないなら3人分をちょうど敷ける広さです。テーブルを直してぎりぎり4人分敷けるくらいなので、それ以上の人数になるなら二間の静和をお勧めします。
 部屋にはアメニティとしてお茶とコーヒーパックが置いてあります。さらに食事処にもドリップコーヒーと複数種類の紅茶のティーパックがあるため、それを持ち帰って部屋で飲むこともできます。

 部屋風呂でなく貸切風呂を利用したい場合は、部屋に置いてある籠を使って着替えを持ち運びます。いや、さすがに籠が置いてあるのには驚きました。

 寝泊りする部屋自体はわりと驚きのない普通の和室でした。ですがここの魅力は何といってもお風呂なので、詳しい感想はお風呂部分で記載しています。

 

【風呂について】

 

引用:客室(伊織) | [公式]南阿蘇温泉 癒しの里 お宿「伊織」/旅籠「静和」

 これが貸切露天風呂の写真か、と思う方もいるかもしれませんが、これ貸切露天風呂じゃないです。これが部屋風呂です。各庭にも風景を楽しめる植栽がなされており、庭だけど視覚的にも楽しめるようになっています。

 正直初めて見たときは「え?このサイズが全部の部屋についてるの?3~4人同時に入れるよねこれ。」しかしすべての風呂が源泉かけ流しです。温泉の効能は美人の湯と評される「メタケイ産」が美人の湯の基準となる100mg/1kgの2倍以上となる243mg含んでいることが売り。

 一番風呂が楽しめるよう、お客を案内してから湯張りするようになっており、湯張り後は源泉と水を出すバルブがあり、自分で温度調整をするようになっています。

 またこちらの部屋風呂の構造の特徴の一つに湯舟と体を洗う部屋が分けてあります。そのため脱衣場→洗い場→露天風呂とそれぞれ扉で仕切られた3部屋構造となっており、露天風呂の課題である、寒い時期に体を洗おうとするとめちゃくちゃ寒い問題もある程度解消されるようになっています。

 部屋風呂がこれだけ充実しているため、正直貸切風呂行く必要あるかこれ?となっていました。

 ただ部屋風呂だけなのもなんなので貸切風呂も利用。こちらは貸切の中では一番小さい定員2名の笹倉になります。貸切風呂は外からの利用客も使えるためなかなか希望のお風呂は使えないです。まあ宿泊客は十分なレベルの部屋風呂あるし・・・

 こちらは貸切が終わるたびにお湯を抜いて張りなおす徹底ぶり。そのため貸切の回転率が落ちているのもなかなか借りれない理由となっています。この貸切風呂も部屋風呂と同様に湯舟や洗い場が扉で仕切られているため、ある程度の暖かさが担保されています。

 

【食事について】

 夕食と朝食のパックを利用。どちらも離れの食事処に案内され、個室で提供されます。

 夕食は会席となっており、月ごとに変わります。

 まずは前菜と食前酒。こちらは栗の白和え。優しい甘みながら味はしっかりしており、派手ではないが手の込んだ料理であることがわかる小鉢でした。

 こちらは前菜3種盛り。まさかのお洒落な器で登場してきました。
 左から豚角煮の紅白はじかみ、わさび漬け、南瓜カステラ、松葉銀杏、レンコンチップ、柿利休寄せ焼き湯葉の西京漬けです。和食メインということで優しく素朴な味に思えますが、その実素材の味がちゃんと前面に出て存在感のある味です。

 これはなめこ真丈松茸。お吸い物のなかに松茸と真丈が入っています。このあとに汁物も控えているので、汁物が2つ出てくるのって初めてかも。これは胃を落ち着ける優しい味わい。この後は生ものや焼き物など胃にどしんとくる存在感の強いものが出てくるため、ここで一度箸休め。会席のなかでも内容に緩急があり、胃がもたれないようになっています。

 こちらは刺身三種盛りに馬刺し。やはり熊本なら馬刺しは出るよねということで。

 これは赤牛ステーキ。熊本名物のひとつである赤牛を存分に楽しめるステーキとなっています。ここにきてガツンとしたお肉。結構な厚みがあり食べ応えがありました。

 ここにきてまさかのフレンチ。エビクリーム和え。見た目はこってり系と思いきや、まさかのさっぱり系。下に敷いてある野菜がお酢で味付けしてあるので、非常にさっぱりしています。さっきの赤牛で結構お腹に来ていたので、ここで酸味が来てくれるのはうれしい。

 それにしても前菜もそうだったけど、器が独特でみる楽しさもあります。食事は花より団子タイプでしたが、これは花として楽しめました。

 茶碗蒸しにデザートのブリュレとフルーツタルト。こちらは結構甘みが強かったです。ちょっと好みが分かれそう。

 こちらは朝食。これは松花堂弁当スタイル。昨日のエビの頭を使った味噌汁にサラダ。写っていませんが湯豆腐鍋に納豆。釜炊きご飯と高級朝食です。うん、これがいいんだ。

 松花堂弁当の中身は焼きじゃけに切り干し大根、卵焼きにめんたいこ、フルーツなど、朝ということで濃いめの味付けは少なめ。じんわりとした旨味が広がる煮物や漬物といった舌を刺激しないものが多く、それでいてちゃんとご飯が進みます。

 夕食・朝食となかなかにおいしかったです。夜はがっつりボリューミーで味が強く残るものがメイン。朝食は量はちゃんとありますが塩味は抑え目で素材の味をメインとした多種少量の料理たちがメインとなっています。

 

【まとめ】

 感想としては立地は車前提でないと利用が難しい国道沿い。その分価格に反映されているということでしょうけども。

 食事は和食は非常に手の込んだ創作料理。器も独特で見て楽しめる料理。その見た目の奇抜さも場を楽しませる要素となっていました。

 お風呂は最大5としていますが、正直5を突き抜けてます。部屋風呂が露天風呂クラスとか想像していませんでした。

 設備・アメニティはそこまで強く印象に残るものはなかったです。

 部屋は離れの平屋ということで周りをあまり気にしなくていいのはいて楽でした。部屋の中も和を思わせる造りで、どこか別荘感もあり、和室で馴染みがあるのにどこか特別感のある旅行をしている気分になれる部屋でした。

 これで休日宿泊で一人25000円程度だったので、内容を考えるならなかなかのコスパでした。